目につく

吉田カバンをご存知だろうか?

僕はかれこれ10年以上は吉田カバンの販売経験がある。

「一針入魂」

これが吉田のポリシー。

全ての工程を日本で行う完全なる日本製。

タンカーが爆発的にヒットした頃、僕は高校生だった。

社会人になりまさか自分がPORTERを取り扱うなんて夢にも思っていなかった。

販売してみて分かったが吉田人気を知っているのは僕より上の世代だった。

思った以上に人気はなく、若い世代は知らない、全盛期を知ってる人からはもう廃れたブランド扱い。

中にはいますよ、熱狂的ファンが。

でもそれがまた面倒臭い。

「ここの縫製が曲がってる」「丈夫で壊れないでしょ?」

とにかく期待値が高い。

いやいやいや、人が作るんやから壊れるし多少の歪みはあるて。

客の声を吉田カバンに言っても、

「それはそういうものです。」

「使い方によっては1年でダメになる箇所もあります。」

客に言えるか、そんなこと。

と、なんやかんやで吉田も客もめんどくさかった。

現在は転職したので吉田カバンと関わることもなく、僕の中でももう廃れたブランドの一つとなっている。

ところが、転職してから到る所でPORTER所持者を見かける。

なんでや?

携わっている時は目について当然。

だって仕事だったもん。

前以上に目につくなんて‥

潜在意識では吉田カバンが好きなのだろうか‥